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Self Liner Notes #1

1. arc (recall) included in; interjection ep (2016) piton-L 04 (2016) テクノや電子音楽と言いつつ、シンプルなピアノフレーズに雨音だけの静かなトラックで幕開け。 初出は2016年。オリジナルも2分半ほどのピアノ即興曲。
2. elephant echo included in; elephant ep (2011) 余韻の長いキックに三拍子のリズム、初期TANZMUZIKの影響大なシンセSE、と忙しない構成。 この曲の制作時期が東日本大震災を跨いでおり、曲には影響ないものの当時の空気感を今でも思い出す。
3. maiden reverb 2018 included in; baroque ep (2009) WAVE OF CHANGES 3+1 (2019) 初出は2009年。2018年頃にライヴ用にリアレンジした際、原曲のリズムはほぼ一新。リバーブよりもディレイや隙間が目立つ曲だが、タイトルはメイデン・リバーブ。
4. GiGi tegn 2022 included in; hymn ep (2014) WAVE OF CHANGES 3+1 (2019) Live 20200927 ver.1.1 (2020) 浮遊する音群に打音と音叉[ambi-balance tuner C4096]が時折響く、抽象度の高いアンビエントダブな曲。何度もリアレンジを重ねており、その毎にシンプルになる。「重ねると削がれる」。 余談だが、タイトルの読み方は「ギギ・テン」。特に意味ない造語だが、キャラ名でもある。自分の創作には時にキャラクターみたいなものが存在し、そのイメージに沿って曲を作ったり、または出来た曲の名に当てる事がある。有り体に言えばサントラ。例えば「#2」収録「yueliu nova」の「yueliu(ユウル)」然り。 これは一種の創作プロセスでもある。 更に余談だが、moon quantizeというtwitterアカウントで、そんなキャラの思考・行動、見えてる光景の断片をツイートしていたりする。 これも創作の一種。物語やイメージボードもあり、いつか形にしてみたい、と思っている。 勿論このような話は曲を聴く上で前提にしてもなくても良くて、好きに楽しんでもらえればありがたいです。
5. vision reboot included in; piton-L 02 (2013) Gorgeというジャンルが少し面白いなと思った頃に便乗して作ったシリーズ「piton-L」で過去曲をGorgeと再解釈して出した中の1曲。 一旦仕上げた曲のピッチとテンポを試しに落としたら急にフィットして完成形とした。今振り返ると、Chopped & ScrewedやVaporwaveにも近い手法だが、製作時には知る由もなく無自覚。 発表は2013年、完成自体は2008年。
6. ritual machine for climbers included in; piton-L 03 (2013) 初出は「piton-L」シリーズ。Gorgeマナーを前提に制作したためタムが連打される。不穏なシンセや不安定なリズムは、ジャンル細分化直前の90年代テクノのとある楽曲を参照。
7. 重力区 (juryokuku) 2022 dub included in; interjection ep (2016) Solar Scriptのリマスタリング中にふと思い立ち、オリジナルと差し替えて作ったリエディット/ダブ。作ったタイミングでは意識してなかったが、聴き直すと今の自分のベクトルが出ている気がする。「GiGi tegn 2022」にも近い。 「juryokuku」の初出は2016年だが、大元は2003年頃に作った「chimera」というシューゲイザーな曲のベーシックトラックで、割と気に入っていたものの生かし切れていなかったため、昇華させるべくエディットして作った曲が本作。 今回のバージョン制作後に浮かんだアイデアがあり、今後また発展するかも。
8. radio spinning included in; anotherscore(2000-2015) (2016) 不安定な電波を拾って聴こえてきたラジオのジングルのようなシチュエーションをイメージ。こういう質感って自分は馴染み深いのだけど、今どき伝わるんだろうか。 それはともかく、この曲は「anotherscore (2000-2015)」収録のために制作。元は2000年頃に発表した「spinning!!」というBPM140ほどの疾走するブレイクビーツ・テクノ。随分と年月を跨いでいる。
9. 八露鎚 (yatsuro tsuchi) included in; hymn ep (2014) トイピアノっぽい音色が作れる音源(と少しの打楽器)のみで、疾走するリズムと、儀式とか祭典みたいなノリを作れないかと試した記憶。案の定「スティーヴ・ライヒみたい」と言われもしたがライヒにこんなテイストは無いと思う(ちなみにライヒは大好きです)。 曲名について、初出時はローマ字表記だけだったが、今回は考案時に思いついてた日本語も公表。「八つ露を鎚で打つ」、何のこっちゃという感じだけど、自分の中では字面の世界観どおり。曲中の強弱は「鎚」のイメージ。 そういえば「playaccorde」(2013/gleam ep収録)という曲もピアノ自体がインダストリアル・リズム的に成立できないか?と思い立って作った曲だったのを思い出した。 成り立ちが少し似てる。
10. 口を紡ぐ (spin the mouth) included in; funnel ep (2011) アコーディオン、ダブなピアノ、妙なSEのみで構成された掴みどころ・落としどころがない曲調。でもこういう曲名。 自分の曲は抽象度が高く、聴く人の想像性/創造性に委ねる節が強いので戸惑う人もいると思うが、好きに解釈してもらえれば良いと常に思っている。 実際、この曲や「yatsuro tsuchi」「yueliu sight」等は役者さんや演劇関係の人に受けが良く、演目に使われた事もある(つまり、使う人の解釈や意図が生まれるという事で、それは嬉しく、また面白い作用だと思っている)。 「口を紡ぐ、というタイトルにドキッとした」と言ってもらえた事があり、それはとても嬉しい記憶。
11. morning star included in; gleam ep (2012) 壮大さとインダストリアルの重たい混沌。忙しない鉄弦とノイズSE。そして9分強。 何を経てこういう佇まいの曲を作るのか理由や自覚はあまりないけど(自分としてはテクノの延長と思ったりもしてたが俯瞰するとテクノ感が極めて低い、と今になってようやく気づく)、自分のどこかから鳴り出してるんだとは思う。 以前は好んで作っていた曲調だが、今の心持ちではちょっと難しいかも。 ちなみにmorning starとはその名の通り「明けの明星」「朝の星」であり、中世ヨーロッパ期に実在したなかなかおっかない形状とコンセプトの武器の名称でもある。剣と魔法のRPGやファンタジー系のゲーム等が好きな人はピンとくるかも。実際どんなものかは少し調べたらすぐわかります。
12. 月動機 (getsudouki) included in; gleam ep (2012) 月動機 LIMITED EDITION (2013) (脳内イメージの)室内楽セクションっぽさ+iOSアプリでシミュレートされたリズムボックスCR-78+インダストリアルSEによる曲。ライヴでも多く演ってきたメインレパートリーのひとつ。 元は「exhaust」という曲名で、曲自体の細かなアップデートを経て改題。 「月を動かす機械」、我ながら字面や響きが気に入っている。
13. rust plan included in; reflex pf (2020) 金属的なリズム、メロディックというには着地点が見えないピアノフレーズにグリッチなエフェクトが薄っすらと散る、短めの曲。 収録作「reflex pf」の作品説明には【2018~2020年に散発的に制作していたトラックやスケッチに何故かピアノ音源を使った曲が目立ったため】とある…が、そもそも自分にはピアノが入ってる曲が多いな、とSolar Script製作中に気づいた。 俯瞰の修練、まだまだ途中。
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